元総支配人が旅のコツ教えます

袖振り合うも他生の縁。風の吹くまま、気の向くまま、縁を求めた旅日記です。

心付って必要?

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こんにちは、ダンディです。

さて、ホテルや旅館に宿泊する時に、「心付って必要か?」と思うことがあるかと思います。

 

「心付」って何?

わかりやすく、ザックリ言うと、部屋に案内された時などに、案内してくれた係の人にいろんな意味を添えて渡すチップのようなものですね。

 

基本的には要りません。

 

では、元総支配人である私はどうしているか。

私の場合は、「お菓子」を持っていきます。

仕事の都合でホテルに宿泊する時、いわゆるビジネスホテル(私は東横インが多いなぁ)に泊まる時などは、何も渡すことはありません。

 

でも、プライベートでのんびりと旅館に宿泊する時には、お菓子を持参してます。

 

「お菓子ならば、何個くらいのものを?」

 

旅館の規模にもよりますが、フロントと仲居さん分くらいで十分ですね。

従業員全員分なんて考えなくていいですよ。

 

例えば、20室くらいの旅館ならば多くても20個入りのお菓子を。

10室くらいならば、10個入りって感じです。

値段も1個100円くらいでいいでしょう。

夏はアイスクリームを持っていくこともありますね。

(アイスクリームは、結構社員に好評ですね。経験談

 

私は仕事柄、お菓子を渡した後の反応まで思わず観察してしまいます。

お菓子を渡した後、「何人がお礼を言うか」、悪い癖です。

 

大抵はフロントは当然ですが、夕食の係、朝食の係、チェックアウトの時に女将さんがお礼の挨拶……ってパターンが多いですね。

ここまで来たら合格だ、なんて一人で思ってしまいます。

口コミの点数通りだなぁ……などと。

やはり、いけない癖ですね。

 

私は何か優待やサービスの見返り等は全く考えていません。(本当に)

 

私も、元同業者の人間として、この仕事は本当に気を遣う、土日の休みなんてとんでもない(家族持ちはたいへん)。

そんな、たいへんな仕事とわかっているので、慰労の気持ちだけのつもりでお菓子を渡してます。

「数が足らないかもしれないけど、みんなで食べてね。足らない時はジャンケンしてね」と言って、フロントで渡します。

この会話でお互い和みます。

一期一会の始まりですね。

 

しかし、結果的に飲み物代をサービスしてくれますね。

結局はこちらの意に反し、気を遣ってもらってるわけですが。 

 

先程、「基本的には要りません。」と書きました。

 

「基本的に?」

「じゃ、例外があるの?」そう思われるでしょう。

 

例えば、こういう事がありました。

食事中に部屋を飾り付けして欲しい。

「飾り付け?」

このお客様はプロポーズを目的として予約されました。

事前に予約者である男性のお客様から連絡があって、「そちらの旅館ではどういう事が出来ますか?」と質問がありました。

 

予約係が先方のリクエストを聴き取り、プロポーズまでの予定をお互いに何パターンも想定しました。

結局、プロポーズは夕食のデザート前にします」とのこと。

上手く行ったら、デザートを持ってきた時に「右手」で頭をかきます。

プロポーズを言うタイミングを逸したら「左手」で頭をかきます。

断られたら「両手」で頭をかきます。

 

おいおい、君。断られることもあるわけ?

 

当日、食事担当者は「右手」、「左手」を必死で見ていたそうです。

他の食事係も他のテーブルからその様子を見て複数で確認することに。

 

◇右手の場合のリクエス

客室に今までデートした先々で撮った二人の写真を飾り付けて欲しい。(20枚位パネルにして持ち込んでおられました)

 

予約係は旅館からは「ケーキ」をサービスします。ドライアイスを使ってますから、煙りの様に演出が出来ます(ケーキは料理長手作り。これが絶品)、と提案していた。

支配人であった私は、予約係から話を事前に聞いていたので、女将にお願いし、「お祝い用に花」をアレンジしてもらっていました。

ケーキも花も自前ですから、原価はあまりかかっていません。

本当に喜んでもらいたいという純粋な気持ちだけ。

 

◇左手、両手の場合は何も無し

結果は‥‥‥ 右手!!!!!!

飾り付けは、当日布団敷きの予定だった女将さんの娘さん(若女将)と洗い物の予定だった予約係に頼みました。

代わりに、私が飾り付けが終わるまで布団敷きと洗い場に入りました。

旅館では一人何役もこなします。

 

男性は到着時、予約係に「心付」を渡してました。

中身は「2千円」。

十分。

予約係はいただかないつもりでいたらしいのですが、真剣な眼差しに圧倒されて思わず受け取ってしまったと報告がありました。

私がいた旅館は、お客様のご好意を基本的にいただく様にしていました。

そして、きちんと袋のまま全額女将さんへ

 

確かに、特別なリクエストをお願いする時は、心付あった方がいいのかもしれないですね。

でも、1千円で十分。 

少ないと思っても、2千円で打ち止めにしましょう。

元々、不要なものですからね。

心付やお菓子を渡しても、「誰からもお礼が無い」ことだってあるんですよ、実際。

そんな嫌な思いをしたくないですから、渡さなくても全く問題無し。

「渡して、何も無し」だったら逆に余計なストレスになりますからね。

「一体、ここはどんな教育してるんだ」と。

 

もし、入れる時はポチ袋。

無い時は、ティッシュで包んでもOK!

私が総支配人、支配人としてホテルや旅館では心付やお菓子をいただいた場合は、必ずお客様情報の備考欄に、「頂き物あり」と入力する様に指導していました。

リピーターとして来られた時に、ワンドリンクサービスするために。

 

 

◇ 旅のコツ

「心付」はたくさんのリクエストがある時だけでいい。

少しのリクエストならば不要。

リクエストが何も無い時ももちろん不要。

でも、お菓子などちょっとしたものが、後々縁を繋ぐ事があるのも事実。

また、旅人がまだ若い時は不要かと思います。

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。

九州は雨は大丈夫ですが、みなさんお住まいの所は大丈夫ですか?

十分気をつけてくださいね

 

 旅から戻った総支配人

 

 

ランナー伸びた

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1週間留守をしていた間にイチゴのランナーが何本も伸びていました。

慌ててポット準備しました。

 

昨年は今の時期のランナーは切っていたんですが、健気に何本も伸ばしているのを見るとね。

 

親株は、一昨年の旅先でお世話になったイチゴ農園のご主人からたくさんいただき、昨年、今年たくさんの実をつけてくれ、美味しくいただきました。

あまりにも多く収穫出来たので、近所におすそ分けしたくらい。

また、来年が楽しみ。

 

旅先から戻った元総支配人

一昨日、妻に内緒で買ってました。

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ここはジブリ関連の商品がたくさんありました。

他所のショップにないレア物は、堂々と買いましたが、トランプはこっそりと。

たぶんバレバレかとは思いますが‥‥‥。

 

大分県由布市湯布院町

どんぐりの森 由布院店にて

 

旅先より 元総支配人

 

元総支配人、明太子とたらこ、どう違うの?

こんにちは、ダンディです。

全国的に雨ですね。

災害があちこちで発生していますから、皆さんも十分気をつけてね。

 

さて、続きの話です。

時間は一気に進んで申し訳ない。

実はこの若き二人の旅人は後日無事に結婚し、私たちはいまだに付き合いがある。

というのも、我が家に来るんだなぁ、この二人。(もちろん大歓迎)

今年はまだ来てないが、昨年は三回やって来た。(くどいが、もちろん大歓迎)

二人は東京に住んでいる。

 

東京から私たちが住む九州までやって来る。

最初の出逢いが『袖振り合うも他生の縁』

今ではまさしく、『縁あれば千里』

縁があれば、たとえ千里離れていようが出逢うものだという先人の言葉を実践しているわけだ。

 

余程、妻と気が合うのだろう。

今では「けんちゃん、りんちゃん」と呼んでいる。

我が家は、客人の出入りも多く、部屋も空いているから泊まるには問題ない。

 

妻は、数十年前の高校生の頃から数年間カナダに留学していた。

ホームステイ先ではいろいろとお世話になっていた経験からか、自宅に客人が来るのを何ら拒まない。

というより、世話好きなビッグママだ。

 

だから、困った人を見ると、旅先でワインを差し入れたり、風呂場で自分のタオルを貸すなんて当たり前と思っている。

 

本人は口にしないが、留学時当初はアジア人ということで、差別等で相当苦しんでいたという話を義母から聞いたことがある。

今はそういう事はないのかもしれないが、やはり約三十年前はそういう時代であったのかもしれない。

しかし、根っからのポジティブ思考と負けん気で最後は人気者だったらしい。(人気者という点は本人が言うから話半分で理解した方がいいかもしれない)

 

話が逸れたが、若き二人がやって来るということで、空港まで迎えに行った。

ちょうど昼時であったから、行きつけで美味しいパスタを出す店があったからランチしようということになった。

 

店に入り、二人はメニューを見ていた。

私たちは常連だったからトッピングまで細かく注文した。

私は、明太子パスタを注文した。

「麺は柔らかく、量は多め。明太子も多め。きのこも多め。そしていつものように大根おろしも多め。味付けは軽く醤油ベースでね。それに卵黄と納豆ものせてね」

常連とはいえ、スラスラと流れるような注文に我ながら満足していた。

 

「マスター、この人いつもこんななの?呆れるわよね。マスターの献立を無視した注文の仕方してごめんね。まるで我が家のようにリクエストしてるわよね」

 

「とんでもない。グランパ(おじいちゃんという意味。孫に私のことをそう呼ばせているのを見て、マスターも私をそう呼ぶようになった)のおかげでいろんなリクエストに応えることが出来るようになりましたよ」

 

口ひげを蓄えるマスターは苦笑いしながら答えた。

「イタリアで修業をして来たマスターに失礼よ。ちゃんとマスターの献立をリスペクトしないと」

妻は珍しく殊勝な物言いだ。

「ねぇ、明太子とたらこはどう違ったっけ?なんか聞いたことがあるんだけど……」

ゲストである、りんちゃんが訊いてきた。

「ほら、元総支配人教えてあげなさいよ」

 

みなさんは、「明太子」と「たらこ」の違い知ってますか?

 

実は私はよく知らなかったのです。

唐辛子で味付けしたものを「明太子(辛子明太子)」、塩漬けは「たらこ」ということぐらいしかね。

 

両方とも原材料は「スケトウダラ」ですね。

韓国では「スケトウダラ」のことを「明太魚」と表します。

「たらこ」も「明太子」もスケトウダラの卵巣であり、どちらも同じ食材ということになります。

もっと詳しい定義があるのかもしれませんが……。(すいません、これ以上はわかりません)

マスターはさすがに知っていたようで、けんちゃんとりんちゃんに詳しく教えてくれました。

りんちゃんは今は妊娠中とのこと。

もし、今年来る時にはまた賑やかになっていることでしょう。

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。

次回は支配人の恋話でも書こうかと思います。

最後に、雨には本当に気をつけて。

 

 

 

 

我慢して一つだけ

 

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大塚国際美術館は何度来ても、素晴らしい。

それぞれの作品に圧倒される。

しかし、そんな作品より、さらに私のハートをわしづかみにしたのはこれだった。

いかん、また買ってしまった。

最初のきっかけは、海外に行った際に乗った飛行機のCAさんから、航空会社のトランプをサービスで貰って以来、いろんな航空会社のトランプ収集が始まった。

今では旅先でトランプを見つけたら、子どものようについつい買ってしまいます。

 

徳島県  鳴門市  大塚国際美術館にて

旅先より元総支配人

妻曰く「旅の恥は搔き捨てで良い」

 

こんにちは、ダンディです。

 

「妻と若い女性旅人の出逢い」の話の続きです。

 

妻と若い女性旅人は夕食の前に大浴場で出逢っていました。

お互い裸、妻は化粧も落としてスッピン

(入浴後、食事前には軽く化粧していたから、夕食会場で気付かれなかったと思うと、妻自身言う)

妻は入浴時、頭に巻くタオル、身体を洗うためのタオルと二枚持参していたらしい。

男性は通常一枚だが、女性は二枚が常識らしい。

 

若い女性旅人は、髪を洗うつもりはなく、そのためタオル一枚だったとの話。

湯巡りの団体のお客さんが大勢入って来たため、若い女性旅人は大浴場から、そのまま露天風呂に移動。

その際に、浴槽の端にタオルを置いたまま移動したらしい。

 

露天風呂から戻り、浴槽の端に置いていたタオルを探すも、タオルがない。

旅館のスタッフが定期的に清掃に来ていたから、置きっ放しと思って回収したのか、団体のお客さんが間違えて持って行ったのかはわからない。

さぁ、困った。

そこに、タオルがないと探す若い女性旅人に、妻が声を掛けた。

「このタオルでいい?」妻は頭に巻いていたタオルを指差して言ったらしい。

「お借りしていいですか?」

そこから、二人の出逢いは始まった。

袖振り合うも他生の縁である。

二人はお互いの背中を洗いっこまでしていたらしい。

そして、夕食会場での出来事に至るわけだ。

もし、若い女性旅人のタオルが無くなっていなかったら、二人が出逢うことはなかったかもしれない。

 

縁とは何と不思議なものだ。

 

さて、夕食も無事終わろうとしていた。

「もし、お邪魔じゃなかったら、朝食一緒に食べていいですか?」若い女性旅人が妻に言った。

「あなたたちこそ、二人きりでゆっくり食べたいんじゃない?」妻が言った。

「いいえ、是非よかったら」恥ずかしそうに若い女性旅人は言った。

 

私たちに感謝の意味もあったのかもしれない。

夕食時、最後までいた5,6組の若き旅人たちは騒動の結末が意外な展開で収まったことを知っている。

しかし、あのケーキ騒動の途中で食事を終え、部屋へ戻った人たちの方が圧倒的に多い。

若い女性旅人は、そういう騒動を起こした当事者として、周りから「好奇の目で見られるかもしれない」という恥ずかしさもあって私たちに声を掛けたと私は思った。

 

「支配人、こういうことだから、テーブルくっつけてくれる?」

私は勝手にそう思い、お見送りのために近くにいた支配人にお願いした。

 

「では、見晴らしの良い窓際の方で準備させていただきます」

「ありがとう」

 

お互い、朝食の時間を調整して確認した。

夕食会場を出る時に、支配人が妻と私に近づいて来た。

 

「私どもの不手際を、救っていただき本当に、本当にありがとうございました。今後は十分注意して参ります」

 

謝辞のために深々と頭を下げている支配人を見ていて、私は自分自身が「支配人としてなりたての新米時」を思い出した。

私も、コメツキバッタのように毎日何度も頭を下げていたものだった。

私は支配人に、ある言葉を掛けた。(ある言葉……後日書きます)

 

翌朝の支配人のオペレーションは見事だった。

(業界用語であるオペレーションという言葉、あまり好きな言葉ではないけど)

結局、四人ではなく、昨夜「HAPPY BIRTHDAY」を大合唱した時の若い旅人たちが入り混じっての、笑顔溢れる朝食になった。

スタッフに依頼して、みんなで写真を撮り、メールやラインの交換をして、次の再会を約束した。

 

旅はこれだからたまらない、やめられない。 

旅の醍醐味、「酒」、「湯」、「縁」全てが揃った。

 

◇ 旅のコツ

  旅の途中の思いがけないハプニング、アクシデントやとトラブルはつきものです。

  旅先を汚す(けがす……って読んでね)ことはもちろんNGです。

  でも、純粋な思いや行動からの恥は、何ら恥ではありません。

  ホテル、旅館の多くのスタッフはその事をわかっています。

  (すいません、「多く」と逃げてます。「全員」と言えないこの辛さ)

「旅の恥は搔き捨て」大いに結構。

  最後まで読んでいただきありがとうございました。