お主たち、旅慣れしておるな!
こんにちは、dandyです。
先日、Yahooニュースで宿泊時の『布団上げ』の話が出てましたね。
ツイッターでもだいぶん賑わってましたね。
私も当然、同様の経験ありますよ!
チェックアウト後は、当然清掃係が客室のお掃除に入ります。
掃除の仕方はそれぞれ違いますが、係はまずは布団上げ、これは必須ですね。
洋室や和洋室でベッドの時も同様にベッドメイキング。
ゴミを集めて、忘れ物が無いかのチェック。
という流れから入ります。
アウト後に私たちが客室に入った際、部屋を見て「おぅ、昨夜来のこの部屋の旅人さんは旅慣れしていたんだ!」と思わせる方々がいます。
◇ゴミが分別されている
〇 燃えるゴミ
〇 ペットボトル
〇 ビン、カン
この三種に分けられ、コンビニやスーパーの袋に入れて、部屋の片隅に。
ゴミ箱は使った形跡なし。
◇布団のシーツや枕カバーが剥がされている
敷布団のシーツ、掛け布団のカバー、枕カバーが剥がされて、玄関の扉近くに丸めて置いてある。
布団は押入れの近くに敷かれたまま、ずらしただけ。
ホテルでは基本しませんが、旅館では朝食時に布団をあげる所もあります。
旅館は部屋が狭い所も多いので、朝食後はアウトまでの短い時間ですが、少しでも部屋を広くご利用していただきたいという思いから、お布団をあげていいかを前日の夕食時にお尋ねしますね。
布団は 、押入れの形状や、布団の種類でたたみ方や入れ方の向きが統一されているからですね。
◇グラスや湯呑みはまとめてある
グラスや湯呑みがシンクのそばに置いてあったり、テーブルの上にまとめて置いてあったり。
◇浴衣、タオルやバスタオルが玄関の扉近くにまとめてある
使用した浴衣、タオルやバスタオルが玄関のドア近くに置いてある。
つまり、湿ったタオル、バスタオルがタタミの上に置いてないから、タタミが汚れない。
扉の近くに置いてあるために、回収する係の移動が小さい範囲で済む。
◇半纏や帯がまとめてある
半纏や帯が元々収納されていたクローゼットの近くに置いてあるために、当日の準備をするにあたり、係が非常に助かる。
こういう風に書くと、『いったい旅行に行ったのか?我が家にいるのか?わからない』と思われるだろう。
確かに、旅行に行った先まで片づけたりしていたら、『果たしてこの旅行は本当に心身のリフレッシュになるのか?』という疑問になる。
当然、上記全てする必要なんて全くない。
掃除するために清掃の係がいるわけだから。
しかし、そこは一期一会。
お互いが誠意を尽くし合う。
そんな気持ちを少しでも上記の内の何か一つでもしてくれればいいかと思う。
海外からの旅人は、テーブルにさりげなく置いていることが多い。
『THANKS』と書いたメモの上に100円硬貨が一枚。
部屋が散らかし放題でも、清掃係はそれで充分嬉しいものだ。
「おいおい、そこまで気を遣うのかい?」と思うかもしれない。
「期待していたおもてなしがない」とか、「逆にこちらがホテルに文句を言いたい」ということだってあるだろう。
そういう時は、何もしなくても当然だ。
私ならば暴れるかもしれない。(決してクレーマーではない)
私自身、総支配人であった時も布団上げやごみ集めを日課の様にしていた。
そうして、フロント全員で部屋の片づけ、清掃のヘルプしなければ、当日のチェックインの時間に間に合わないからだ。(150室全て満室、それも全て夕食・朝食あり、個人のお客様主体、連続100日と続いた日には本当にしんどい思いをしたし、本当にスタッフ皆頑張ってくれた)
そんな時、ある部屋で、テーブルの上に手紙が置いてあった。
私はその手紙を朝礼で読み上げた時、皆感動したもんだ。
仕事とはいえ、苦労が報われたという表現が正確かもしれない。
それは、家族連れの旅人たちだった。
書いたのは、小学2年生の女の子と年少さんの女の子。
内容はざっとこんな感じだ。
「きのうから、みんなに親切にしてもらいうれしかったです。フロントのお姉ちゃんも、レストランのお姉ちゃんも、みんな優しかったです。ご飯がついていない妹にも、お姉ちゃんがたくさんサービスしてくれました。パパもママもまた来年もここに来る?ときいたから『また、来年もお姉ちゃんたちに会いたい』と妹と言いました。来年もまた来るから覚えておいてね。みんな大好き!」最後に姉妹の名前が書かれていた。
レストランの係の女性は、目を真っ赤にしていた。
「おい、すぐにお礼の手紙書けよ」と私は言ったものだ。
私の手元にはたくさんの旅人たちからのお手紙や写真がある。
こちらがお礼状を発送する前に、旅人たちから先にお手紙を頂戴することもある。
願わくば、こういう縁がより多くの人に繋がっていけばいいなぁと願うばかりだ。
いつもの様にグダグダの文になった。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
自称 旅慣れの元総支配人