調理場の舞台裏
こんにちは、dandyです。
先日の大雨でルッコラの種が流されたかと心配でしたがなんと芽が出てた。
見えるかな?
今日はホテルや旅館の調理場の舞台裏について。
また、良い職場環境、良い組織、良い上司に関連した内容になるかと。
思い付きで書くので、いつもの様にグダグダの内容になるかもしれないが。
以前も書いたが、私はホテルや旅館の総支配人、支配人を20先以上やってきた。
また、アドバイザーとしても、依頼があった先に短期間、30先以上関与させていただいた。
総じて言えるのは、ホテルや旅館の調理場の世界は、他人が容易に踏み込めないような一種独特の雰囲気があるということだ。
だから、総支配人、支配人といえども、調理場は調理場として別物、聖域のような存在としてなっている。
そのために、指示を指示を出すのも容易ではない。
「おまえ、誰にものを言ってるんだ」
という雰囲気を醸し出す料理長の多いこと多いこと。(もちろん、例外もいます)
そのために、調理場の若い料理人までも勘違いして横柄な態度をする者さえいます。
例えば、当日のある団体の料理の数の変更があった時や夕食時間の変更があった時は、連絡を受けたフロント係や予約係などが調理場へ電話しなければならない。
「電話したくありません。課長してください」などの会話を耳にすることが多い。
課長は課長で「今、忙しいから主任に言えよ」とか逃げまくる始末だ。
それくらい、調理場というのは独特の存在といえる。
「なに!時間が変わった?」
「今、連絡がありましたので、電話しました」
「こっちは(調理場)、夕食18時半段取りしているんだ。そのままでいくぞ」
「でも、添乗員さんから渋滞だから、30分遅らせてくれと……」
「料理を遅れて出せばいいだけだろう。こっちは他にも作るんだから困るんだよな」
「お願いします。副料理長」
「しようがないな。そこの40人の団体はどうにかするけど、あとの団体で変更があっても、もう無理だぞ。いいな」
「他の団体も今から確認して、またすぐ連絡します」
「連絡はもういい。当初の予定でやる。天ぷらだけでも600人分揚げるんだぞ。意味わかるか?」
そう言って電話が一方的に切られるというのがお決まりのパターン。
電話した担当者は、もう手が震えている。
これならば、調理場に電話したくないという気持ちがわかるよね。
フロントはお客様の希望をどうにかして叶えてあげたい。
しかし、調理場は聞いてくれない。
接客係は冷えた天ぷらを提供するのか?
温蔵庫で保温しておいても、天ぷらはベチャとなる。
しかし、課長たちは部下に放り投げ状態。
大型ホテルにはこういうケースが見られがちだ。
そういう理由から、バイキング形式を採用するホテルもある。
私はそういう先に総支配人として単身のり込むわけだ。
私は料理の世界では実力あり且つ料理人から尊敬される人たち数人と縁あって仲良くさせていただいている関係で、その方たちに依頼して、社長や女将さんの了解を得たうえで調理場へのアドバイスを頼んだりした。
「お願いするのは高いのでしょう?」社長や女将はアドバイスの報酬を心配している。
「足代に少しおまけでいいですよ」
「その少しが怖いんだけど」
「気持ちでいいですよ」私はいつもそういう様にしている。
料理人たちを相手に講習会や、勉強会、果ては競技会の審査員をする名実ともに現役バリバリの一流ホテルの総料理長やオーナーシェフが来るわけだから、調理場のスタッフに緊張感が走るのは言うまでもない。
「今度来た総支配人は注意した方がいいぞ。あいつ只者じゃないぞ」
そう私は、単なる「虎の威を借る狐」といえる。
幾千もの弟子を育て上げ、料理人から尊敬をされている総料理長やオーナーシェフたちとお互いタメ口で私が会話するのを見聞きして噂しているのだ。
その関係から、私は調理場の人たちとも良い関係を保つことが出来た。
若い料理人たちにご飯や酒飲みに連れていくことも何度もあった。
料理長の奥さんの誕生日にはプレゼントも渡したものだ。
料理長は「オヤジさん」と呼ばれることが多い。
先輩を「〇〇兄さん」と呼ぶ。
そういう、徒弟関係があるから調理場は独特の雰囲気があるわけだ。
そういう関係を私は否定はしない。
良い面も実際あるからだ。
つまり、料理長次第というわけだ。
昔ながらの師匠、弟子の関係で育っていた人でも、料理を愛し、宿泊客をいかにおもてなししようと真摯に考えている料理長は、フロントや接客担当の進言に柔軟に考え、いろんなリクエストにも対応してくれる人もいるの事実だ。
しかし、現場ではそれぞれの部門で意見が対立することはよくある。
フロントや接客担当はお客様を目の前にして、いかにして宿泊客を喜ばせるかを考えているが調理場が非協力的だ。
調理場も間接的であっても、そんなフロントや接客担当を仲間と思って応援をして欲しい。
調理場、出来たら料理長自身が宿泊客に対して、食事会場で料理の説明や挨拶をして欲しい。
私が関与した先の多くは下記のような共通点があった。
人間誰しも争いは好まない
面倒なことは避けたい
出来ることならば、現状のままが楽だ
今さら、勉強なんてしたくない
会議なんて意見言っても、全然変わらない
上司に進言しても、解決してくれない
上司は動かないから、現場を知らない
私は、私に実力がないことは自分自身が一番知っている。
しかし、私には「熱い心」と「人を巻き込む能力」には絶対の自信がある。
天賦の才といえる。
そして、いつも周りの人間が助けてくれる。
特に、優秀な女性が助けてくれることが多い。
ダンディな私の宿命化もしれない。(ここは適当に流して読んでいい)
私が、こういう資料があればいいなぁと思えば、「そう言うだろうと思って、もう準備してましたよ」と。
さぁ、始まるよ。
いいかい、僕は調理場に物申しますよ。
君たち、僕が動き出したら早いよ。
僕のスピードに付いてこいよ。
文句や愚痴を言ってる暇はないよ。
さぁ行くよ。
当然、私が言うと調理場は動き出すぞ。
僕は只者じゃないよ~ 僕は「日本一の虎の威を借る狐」だよ~
ほらほら、調理場のみんなは協力的だぞ~
クリーニングされた白衣をビシッとまとい、白衣の下のワイシャツにはダンヒルのネクタイをした料理長が自ら食事会場に出て挨拶しているぞ。
(このネクタイは私が料理長の誕生日にプレゼントしたもの)
おらおら、君たちも笑顔で料理を提供しろよ。
ほらほら、団体よりも個人の予約が安定して増えて来たぞ。
単価を上げれるぞ。
売上も利益も増えてきたぞ。
社長や女将に笑顔が戻ってきたぞ。(ここ重要)
資金も回転がよくなってきたぞ。
目標達成したら、僕がみんなの給料上げるように社長に交渉するぞ。
おいおい、皆が自信を持って堂々と動き出したぞ。
いいぞ、いいぞ君たち。
いいかい、部長、課長。こうやって組織は変わっていくんだぞ。
やり方は、もうわかったな。君たちは信頼される上司になれよ。
僕は、もう次のクライアントが待っているから僕はこのあたりでお終いだ。
次の総支配人、支配人、部長、課長、主任を幹部で相談してなるべく多くの人間を昇進、昇格させろよ。
上司は仕事を教えることも重要だが、部下を人として育てることがもっと重要だぞ。
困ったら、いつでも連絡しろよ。
長いグダグダな文章、最後まで読んでいただきありがとうございました。
また、今度続きを書きます。
畑を耕す 元総支配人